ダートフォード・クロッシング事業(英国)
英国の初期のPFI事業で、まさにPFIの源流といえる「ダートフォード・クロッシング事業」についてChatGPTで調べてみました。
質問:
英国のPFI事業であるダートフォード・クロッシング事業について、事業の概要を教えてください。
ChatGPT:
ダートフォード・クロッシング(Dartford Crossing)は、英国の初期の代表的なPFI(Private Finance Initiative)プロジェクトの一つで、イングランド南東部のテムズ川を横断する重要な幹線道路インフラです。
事業の概要
- 位置・役割
- ロンドン東郊外のダートフォード付近でテムズ川を横断し、ロンドンとイングランド南東部を結ぶ主要道路(高速道路M25の一部)。
- 地域経済にとって戦略的に重要なインフラであり、物流や通勤に不可欠な交通路。
- PFIとしての特徴
- 1991年に英国政府が民間企業と契約を締結し、テムズ川横断道路(トンネルと橋)の設計、建設、資金調達、運営を民間が実施。
- 民間事業者は有料道路として通行料収入で投資を回収する仕組み。
- 一定期間(当初20年間)運営した後に、施設を公共側へ移管するDBFO(設計・建設・資金調達・運営)型のPFIの先駆的事例。
- 施設の構成
- トンネル部(Dartford Tunnel):1963年、1980年開通(PFI導入前からの既存施設)。
- 橋梁部(Queen Elizabeth II Bridge):1991年にPFI方式で新規建設・開通。
全長約2.9km、吊り橋形式。
- 運営と移管
- 民間企業が運営期間中に通行料を徴収し、費用を回収。
- 当初契約期間終了後(2003年)、インフラ施設は公共部門へと移管された。
エポックとなる理由・評価
- 英国初期の代表的なPFIプロジェクトであり、その後のPFI/PPPの手本となった。
- 民間資金活用による公共インフラ整備の可能性を示したことで、英国のPPP/PFI政策推進に重要な影響を与えた事例。
このように、ダートフォード・クロッシングはPFI事業の黎明期における成功モデルとして、後のインフラPPP/PFI案件の設計思想や契約モデルに多くの示唆を与えました。
質問:
本事業の民間事業者の構成について具体の企業名や役割を示してください
ChatGPT:
ダートフォード・クロッシングのPFI事業における民間事業者の構成は以下の通りです。
- 事業会社: Dartford River Crossing Ltd. (DRC)国土交通省 九州地方整備局+1jj.em-net.ne.jp+1
- 出資構成:
- Trafalgar House(建設会社): 49%国土交通省 九州地方整備局+1ウィキペディア+1
- Prudential Assurance(保険会社): 17%国土交通省 九州地方整備局
- Kleinwort Benson Ltd.(投資会社): 17%国土交通省 九州地方整備局
- Bank of America(銀行): 17%土木学会+3国土交通省 九州地方整備局+3Jehdra+3
これらの企業が共同で出資し、事業会社であるDartford River Crossing Ltd.を設立しました。同社は、ダートフォード・クロッシングの新橋(クイーン・エリザベス2世橋)の建設および既存トンネルの運営を担当しました。 国土交通省 九州地方整備局
また、建設工事はKværner、Cleveland Bridge & Engineering Company、Cementation Companyのジョイントベンチャーが担当しました。 ウィキペディア
あなた:
本事業の事業スキーム、事業方式などについて、さらに詳しく示してください。
ChatGPT:
ダートフォード・クロッシング(Dartford Crossing)PFI事業について、事業スキームや方式をさらに詳しく整理します。
① 事業方式の概要
本事業は、英国初期のPFI(Private Finance Initiative)事業の典型例として知られ、以下のようなスキームが採用されました。
- 契約方式:DBFO方式
- Design(設計)
- Build(建設)
- Finance(資金調達)
- Operate(運営)
このDBFO方式は、民間企業が施設の設計・建設を実施するとともに、自ら資金調達を行い、運営期間中に収益を得て投資を回収する仕組みです。一定の運営期間終了後、施設の所有権が公共側に移管されます。
② 契約の詳細・構造
民間事業者の構成
- 特別目的会社(SPC):Dartford River Crossing Ltd. (DRC)
- Trafalgar House(建設会社)49%
- Prudential Assurance(保険会社)17%
- Kleinwort Benson Ltd.(投資会社)17%
- Bank of America(銀行)17%
これら4社が共同出資してSPCを設立し、事業の実施主体となりました。
建設および運営の役割分担
- 建設工事は、ジョイントベンチャー(JV)方式で以下の企業が担当:
- Kværner(クヴェルネル社:ノルウェーの建設・エンジニアリング企業)
- Cleveland Bridge & Engineering Company(英国の橋梁建設会社)
- Cementation Company(基礎工事専門企業)
- SPC(DRC)は、運営主体として施設の管理・運営を担当し、事業期間中の収益源として通行料徴収を行いました。
契約期間と移管方式
- 当初の契約期間:20年間(1991年~2011年)
- 実際には契約条件を満たし、2003年に早期に政府へ所有権を返還(事業が予想より早期に投資回収できたため)
- 施設移管後は英国政府(公共部門)が運営を引き継ぎました。
③ 収益・資金調達スキーム
- 資金調達構造:
- SPCは建設資金を民間金融機関(銀行等)から調達(ノンリコース型のプロジェクトファイナンス方式)
- 政府は初期費用を負担せず、通行料収入を通じてSPCが自己回収
- 収益構造:
- SPCは橋梁・トンネルの通行料を徴収し、運営コストや銀行への返済、投資家への配当を支払った後、余剰収益を利益として計上。
- 通行料収入が予想を上回り、予定より8年早く施設移管を実現。
④ 事業の特徴・ポイント
成功要因
- 交通需要予測を超える利用実績(通行量の多さ)
- 建設期間の短縮やコスト管理の厳密さ
- 民間の効率的な経営ノウハウとリスク管理力の発揮
課題・留意点
- 初期のPFIのため契約内容は比較的シンプルで、後年の事業と比べ柔軟性に欠ける面もありました。
- 通行料収入を主たる収益源としているため、需要変動リスクが存在(本件は好調だったため問題なし)。
⑤ 英国PPP/PFI政策への影響
ダートフォード・クロッシングPFI事業の成功は、英国政府にPPP/PFIの有効性を示し、その後、医療施設、教育施設、交通インフラなどでPFI方式が広く活用される契機となりました。
特に、本事業が民間資金を利用して公共インフラ整備を行い、政府の初期財政負担を軽減するという基本モデルを示したことが、英国PPP/PFI政策の発展に大きく貢献しました。
以上のように、ダートフォード・クロッシング事業は、英国のPFI政策を語る上で欠かせないエポックメイキングな成功事例であり、その後の多くのPPP/PFI案件の雛形となりました。